■よく見かける失敗例■
耐震改修工事の解体の際に見かける、
間違った耐震施工の例をご紹介します。 |
-- 筋交い --
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【 基本編 】 |
●金物が柱に留まっていない
▲例@【解体直後】筋交いの下端が、柱に留まっていません。
旧耐震基準以前の施工ですと、筋交が入っていても金物が取り付けられていることはほぼありません。
さらには、この写真のように間柱に接するでもなく土台へと伸びている施工が
たまに見られます。
▲例@【改修後】
既存の筋交は、基本的に無いものとして耐震補強設計をします。ですので、
この場合も既存の筋交は補強の施工に邪魔な部分は切り(土台にアンカーボルトを施工)、
新しく筋交いを設置し、金物を取り付けています。
(下部の金物は、壁内に収める方向に取り付けているため正面からは写っていません↓)
▼例@↑の筋交の下部金物
正面からの撮影では金物が判別できない位置に施工する
ことになる場合は、取付前や金物が写る角度からの撮影をします。
▼例A【解体直後】こちらも、筋交が柱に留まっていません。
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●エアコンを取り付ける際の配管穴空けによって、間違って筋交いに穴が空いてしまっていたこともあります。 |
【 上級編 】 |
●金物にはそれぞれ、取り付るために必要なビスの本数の規定があります。
例えば、ヒカリハウジングで使用することの多い、
タナカの「リベロU」を挙げてみますと↓
(以下3枚、公式サイトより画像お借りしました。)
金物本体と異なる色で視認しやすい赤いビスが14本付属しています。
取り付け方の例です。
正面(筋交)側は6本以上のビスで留めます。ビス穴は全部で9つ空いているので、3つが予備孔となっています。
柱側は、8つ全ての穴に留めます。
(弊社取付例1)
(弊社取付例2) |
-- 柱 --
失敗例ではありませんが、臨機応変な対処が求められる場面があります。 |
解体して出てきた柱など構造材が、そのまま再利用するには
頼りない状態の場合があります。
そのような場合には、
間柱を既存の柱に添えるなどの方法で柱の補強をします。
柱ごと新しい材料に取り替えることもあります。
こちらは、左側が建物の隅にあたるのですが
910mmの位置に柱が入っておらず間柱のみとなっていて、
できれば補強したい状況でした。
隅の通し柱にも添え柱をし、
端から910mmの位置に新しい柱も入れました。
さらに間柱も追加し、安心です。 |
-- 構造用合板 --
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耐力壁で用いられる構造用合板には、貼り方に様々な規定があります。
合板の厚さや貼り方によって、釘の種類や打つ間隔が異なります。
また、見落としがちなのが、[ くぎの縁端距離 ]です。
この合板の端までの距離が、15mm以上でなければいけません。
使用するくぎの種類によって12〜15oで決まっています。
より厳しい数値は15mmなのでそちらで確認すれば安全です。
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